参考症例
Cases歯が割れている 重度う蝕 歯根破折
2018.04.18(水)
医療従事者向けの投稿になります。
根管治療という歯を残す治療において、治療を勧めないケースは大きく以下になります。
1)重度のう蝕でクラウンレングスニング、矯正的挺出を行っても保存が難しい
2)重度の歯周病
3)垂直性歯根破折
4)まれな重度の歯根吸収
上記のケースにおいては根管治療が成功しない、治療を行ってもその歯自体の寿命がないもしくは短いと判断せざるをえません。
治療において補綴物、コアの除去を行い、患歯の精査を治療と並行して行っていきます。
なかには、治療開始して初めて破折や重度のう蝕を確認する場合があります。
このレントゲンの右上中切歯ですが、近遠心に多少の深いポケット、補綴物の適合不良以外は異常所見はありませんでした。この時点では破折の確定的な疑いはありません。
補綴物除去
う蝕部分も確認され、メタルコア自体は支台歯とすでに接着しておらず、探針をかけると浮き上がってくる状態でした。
本来 金属色のメタルコアのポスト部も黒く、感染しているであろう色調をしていました。
広範囲のカリエスと近遠心にまたがる破折を確認しました。
残念ながら歯を残せない条件のいくつかに該当していました。
歯の治療ができない非常に辛いお話をさせていただきました。
(後日かかりつけ歯科医院にて抜歯→欠損補綴をしていただいております)
補綴物が被っていたので患者さんご自身も、もともとこんなに自分の歯が無いとは思ってもいなかったそうです。