参考症例
Cases幼若永久歯の根管治療
2018.01.17(水)
医療従事者向けの投稿になります。
周知のように、萌出直後の永久歯はう蝕のリスクが高く、処置をしないといけない場合もあります。
この患者さんも9歳(下顎第一大臼歯の平均的な萌出年齢から3年)でしたが修復物の下にう蝕様の透過像が観察されます。
左下6番 数日前に他歯科医院にてう蝕処置を受けたが、痛みがある。痛くて噛めない。
泣きながら来院し、付き添いの親御さんも大変心配されていました。
診査の結果 生活歯髄療法は不可能で、根管治療が必要な状態でした。
歯内療法の目的の一つに「根尖性歯周炎の治療」というものがあります。
歯内療法専門医がこの歯の根管治療を行うことにより、根尖性歯周炎を治し、安心して咬めるようにすることは論文ベースで見てもはるかに高い成功率が出ています。
術後
1回目の処置後、症状は消失していきますので、基本的には2回目に根管充填+築造処置になります。
治療後もしっかり経過観察に通院していただいたので、治療1年後の予後までが確認できています。
今後咬合力も大きくなっていきますので、後続の第二大臼歯の萌出を見ながら補綴医に補綴処置をしていただきます。
経過観察時に10歳になったこの患者さんに聞いてみると、「なんで治療したんだっけ??」と、当時痛かったことも忘れていて、親御さんも苦笑いという感じでしたが、私たちにとってはそれが幸せです。