参考症例|さいたま市大宮の根管治療専門歯科医院 ユモトデンタルクリニック

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オーバー根充

2021.02.12(金)

医療従事者向けの投稿になります

 

根管充填材の終末位置はさまざまな統計、研究からも根管内(レントゲン的根尖より2mm以内)にあり、緊密であることが望ましいと言われています。

 

 

本ケースは通常よりも根管充填がオーバーで、かかりつけ医の先生から「通常はこんなに出ていない」ということで相談のため来院されました。

 

 

 

臨床診査においても炎症の所見も臨床症状もありませんでした。

根管充填がオーバーであっても全てのケースが(将来的な)失敗になるわけではありません。特にこのような炎症所見も症状もない場合、患者さんに『歯科医師が考える一般的な状態』の説明を含め、治療の介入を行うかよく相談をさせていただきます。

 

 

相談の中で患者さんからは「かかりつけの先生の(上記の)通常はこんなに出ていないという言葉が気になって」という不安があり、最終的に治療介入をさせていただきました。

 

 

本症例は『患者さんの不安解消とオーバー根充の改善』を目的に治療をさせていただきました。

 

 

再根管治療では良好な結果が得られないことや(全ての根尖が上顎洞内にあることから)アピコエクトミー(歯根端切除術)では対応できないことから意図的再植術を行わせていただきました。

 

意図的再植術には術中の歯根破折のリスク、術後感染などにより生着不良のリスクがあります。大切な患者さんの大事な歯ですので細かい配慮が必要です。

 

 

良好な予後を確認でき、その後かかりつけの先生にて補綴処置をしていただきました。