参考症例
Cases破折診断
2018.06.15(金)
医療従事者向けの投稿になります。
日頃から多くの先生方からご連絡をいただきまして誠にありがとうございます。
ご紹介いただきました患者さんの治療に対して最大限の努力を今後とも行っていきたいと思っております。
先生方もおっしゃられているように根管治療は非常に難しい治療になります。
また歯根破折はレントゲンやCBCTをもってしても容易に判断できないことが臨床では多々あることと思います。
逆にレントゲンやCBCTでもわかるほどの破折に関しては残念ながらその歯の保存はできないことが多いと思います。
「補綴物装着後短期間で根尖性歯周炎の症状が再発した」「患者さんの希望としてできれば被せ物を外したくない」ということがあります。
その際外科的歯内療法で根尖性歯周炎に対して対応していきます。
下のケースにおいても上記の理由で処置を開始いたしました。
しかし、処置開始後歯根部に垂直性の破折線を確認しました。(メチレンブルー染色)
破折を生じている場合にはその部位の歯槽骨の喪失を伴うこともありますが、このケースでは破折線が生じている周囲の歯槽骨は存在していました。
破折線が確認された場合に破折線がなくなるまで歯根を切除していきますが、このケースにおいては破折線は歯冠側に伸展していました。
残念ながら治療を中断して縫合後、患者さんに破折している説明を行いました。
その後かかりつけの先生へ報告とこの歯をどうするか後日患者さんと方針を相談していただきました。
破折を生じる要因は様々ありますが、このようなことが生じていることもあります。