参考症例
Cases腫れている原因はその歯か?
2021.11.30(火)
医療従事者向けの投稿になります。
診査を行う上で、画像診断(レントゲンやCBCT)から得られる情報も非常に有益であることを否定する要因はありません。
当院でも受診を希望される方から問い合わせの段階にて「CTは撮影してくれるのか?」という質問をいただくことがあります。
総合的に考えて、診査に必要な場合に追加して撮影を行わせて頂きます。CTを撮影することにより全てが分かると想像される患者さんもいらっしゃるようですが、放射線被爆とそれよりも得られる情報が患者さんに有益な場合に撮影を検討いたします。
根尖性歯周炎の診断の一例を載せさせて頂きます。
患者さんの主訴は『前歯の歯肉が腫れた』
口腔内写真からも確認できるように上顎右側切歯根尖部の歯肉腫脹になります。
デンタルでは該当部する部分の根尖に透過像を確認できます。また他隣在歯の根尖にも大きさは違えど、透過像を確認しました。
CBCT撮影を行った場合にこれらはより明確な所見として情報を得られる形になったと思います。
他診査も行った後にガッタパーチャポイントを瘻孔から挿入し、さらなるデンタルを撮影しました。
その際 得られた所見はこのようなものでした
挿入したガッタパーチャポイント先端は反対側の左上2番根尖に到達していました。
この際現状の患者さんの主訴である歯肉が腫れたことを治す場合に優先して行うことは まず『原因となっている状態の解決』になります。
以下が左上2番の治療後になります
当然 医学的に他歯の治療の必要性がありますが、主訴の解決に患者さんはホッとされておりました。
根尖性歯周炎の治療法の一つに抜歯という選択肢がありますが、結果としてこの腫脹は右上1番や2番の抜歯を行っても腫脹の解決には至らなかったと判断します。
ガッタパーチャポイントを挿入してのレントゲン検査は大きな手間がかからない検査方法になりますが、患歯の同定のため可能な限り行う必要性を感じます。
また 大切な患者さんのために当院が行えることがございましたら、ご連絡いただければ幸いです。