参考症例
Cases中心結節破折 リバスクラリゼーション
2018.03.09(金)
医療従事者向けの投稿になります。
若年者の根未完成歯における歯髄壊死、壊疽はその歯に対してそれ以上の歯根の成長が期待できない重篤な状態を迎えてしまいます。
一度歯髄が壊疽すると歯髄は再びバイタルの状態になることはありません。
そのため歯根の成長(特に象牙芽細胞への栄養供給がなくなり歯根の厚みが薄い、長さが短い状態で成長は永久的に停止します。その状態は破折のリスクが正常なものよりも高まります。
今までもアペキシフィケーションがありましたが、目的としては根尖の封鎖をしますが、強度自体は正常な歯根完成の状態と比較すると弱いとの報告があります。
聞きなれない治療法ではあると思いますが、リバスクラリゼーションという治療法があります。
外傷、う蝕、中心結節破折などによる若年者の根未完成歯に対する治療です。
根尖孔外の未分化幹細胞、グロースファクターを根管内に誘導させ、セメント質様、骨様の硬組織を形成させるように仕向ける治療法です。
右下5番
このケースは中心結節破折を生じ、根未完成の状態で根尖性歯周炎になっていました。
治療後の経過観察では正常に近い歯根長、根尖封鎖、歯根の厚みを確認することができました。
適応はありますので、詳しくはお尋ねください。
歯がより長期的に維持できるようにお手伝いできれば幸いです。