参考症例
Cases垂直性歯根破折 破折診断
2018.04.25(水)
医療従事者向けの投稿になります。
観血的な画像がございます。人により気分が悪くなる方がいらっしゃいます。
一般の方はご覧にならないことをお勧めいたします。
下顎前歯が最近痛い、という主訴でご紹介いただきました。
診査の結果、自発痛があり、左下中切歯に咬合痛、(周囲歯肉)触診痛 を認めました。
動揺度0、周囲歯周ポケットは近心のみ9㎜ レントゲン画像か以下のようになります。
限局的な深いポケットに関して、排膿経路として歯内由来のポケットか垂直性歯根破折かの鑑別診断のため、同意をいただき浸潤麻酔、歯肉剥離を行い破折診査を行わせていただきました。
(術者の12時ポジションからの写真になります)
剥離後、唇側に存在していた肉芽組織を掻破し、メチレンブルー染色により患部を確認しました。
残念ながら左下中切歯に関しては既存の垂直性歯根破折を確認いたしました。
幸いなことに同じ術野範囲の右下中切歯には現状同様な所見は確認されませんでした。
その後歯肉縫合を行います。
垂直性歯根破折が存在していた場合、患者さんにご説明後かかりつけの先生のもとでその後の治療方針を再度ご相談していただきます。(即日当院で抜歯を行うことはありません)
少しでも歯を残したいと思っていただいている患者さんに、非常に残念なお話をしなければいけないのですが、本当にこの時がいつも一番つらい時です。