参考症例
Cases歯根嚢胞、歯根肉芽腫、膿瘍 外科的歯内療法(歯根端切除術)
2018.05.31(木)
医療従事者向けの投稿になります。
根尖病変により生じる症状はどの患者さんにおいても大変つらいものと感じております。
以下のような透過像が比較的大きなケースにおいて症状の早期の軽減、消失を考えた際に、抜歯を行い、病気を解決させるというお話も選択肢には上がってくるやもしれません。
重度のPや重度のう蝕と違い、根尖性歯周炎の解決作が抜歯という選択肢だけではないのはご承知いただいている上で、加えて根尖の透過像の大きさも歯内療法の成功の成否には関わり合いがないことをご承知いただければと思います。
(大きな根尖病変は小さな根尖病変に比べ、治療後に縮小傾向を示し完全なる骨再生、ないしは瘢痕治癒を確認できるまでの期間が長いことは報告されております)
本症例においては透過像の原因歯は左上1番と診断しておりますが、左上2番の症状も該当歯とは別に確認されたため、左上1番の再根管治療後に両歯を外科的歯内療法を行っております。
(患者さんの費用面をご相談させていただき、本治療計画にて治療させていただきました)
左上1番再根管治療時
根管充填築造後
根管治療前、外科的歯内療法直後、術後6ヶ月
予後観察(検診)時
本ケースにおいては唇側から口蓋側に交通する骨欠損を生じていたため、骨の完全な再生ではなく瘢痕治癒という形態を最終的なゴールと定めさせていただきました。
治療を受けていただくだけでなく、治療後の予後観察(検診)は非常に大切です。
治療を受けていただきました多くの患者さんに予後観察のご協力をいただき大変感謝申し上げます。
その歯の保存も含め病気の解決のための治療を行い、早期の症状の消失とのちの良好な予後に少しでもご協力できましたら幸いです。