参考症例
Cases歯内療法専門医が行う破折ファイル除去
2018.06.25(月)
医療従事者向けの投稿になります。
根管治療の偶発症のファイル破折によって治療が行き詰まるということがあると思います。
破折ファイルに関しては色々な報告があります。(以下一部掲載いたします)
アメリカの歯内療法学会が会員に行ったアンケートでは歯内療法専門医が治療を行うケースの約1割に(既存の)破折ファイルがあったという報告があります。
また別の報告ではストレートラインアクセスを形成したのちに マイクロスコープ下で破折ファイルを視認できる場合と視認できない場合の除去の成功率の差が約2倍( 結果 全体の成功率は70,5%(N=79)であり、視認できたグループの除去成功率は85,3%(N=58)視認できなかったグループでは47,7%(N=21)成功率は明らかに視認できたグループが高かった。)であったそうです。
歯根の湾曲度、破折ファイルの長さや位置、術者のスキル、治療環境などの要因も加味した上で当院でもその治療に対応しています。
治療の際に除去する必要がある場合には最大限残存歯質を保存できるように配慮していきます。
また総合的に判断し、外科的歯内療法の際にその過程で除去することもあります。
比較的 歯根の湾曲度が無いケース
歯根の湾曲があるケース
歯根の湾曲が強くあるケース