参考症例
Cases破折ファイル除去
2018.08.26(日)
難易度があります。
一般的に歯根の湾曲部を超えない範囲であればマイクロスコープ下にてほぼ全てにおいて破折ファイルが確認できることと思います。
視認できた場合、破折ファイル除去時に健全歯質が奪われる量も最小限にとどめられる可能性も高く、根管のオリジナルの形態を維持することによってその後の根管の拡大形成によるバクテリアリダクションも予想ができるレベルで行うことができると思います。
破折ファイル自体は感染源になることはなく、あくまでも感染経路を封鎖している場合、除去を行い、根管内のファイル破折部よりも根尖側のバクテリアリダクションを行います。
ただし破折ファイルの除去のみを考えると、除去ができたとしても多くの健全歯質を奪ってしまいその歯のロンジビティー(寿命)を縮めることにもなりかねません。
破折ファイルのあるケースに関しては、安全に除去できるか、できないような予想が立つようであれば、ほかの選択肢を検討してご提案いたします。
今回のケースに関しては破折ファイルが歯根の湾曲部を超えない位置に存在していましたので、事前のシュミレーションどおり問題なく処置を終了しております。
ファイル破折は偶発症であり、新品のファイルを使用した際にも0,9%は破折したという報告があります。
またファイルの繰り返し使用は4回以上になると破折のリスクを高めるという報告もあります。
ユモトデンタルクリニックでは器具の疲労がないものを毎回使用することにより破折を最大限予防する、また交差感染のリスクを0にする目的で NiTiファイル SSファイル、超音波チップを含む器具をどの患者さんにも必ず新品の物を滅菌済みで使用し、使い捨てにしています。
大変なコストがかかりますが、私が治療を受けるとしたらそれが一番良いと思うのでそのスタンスに立って器具、材料の管理を行っております。