参考症例
Cases破折ファイル除去
2018.01.30(火)
医療従事者向けの投稿になります
治療する歯によっては根管治療の障害になる破折ファイルを確認する場合があります。
治療の障害になっていれば当然、ファイル除去をして治療を継続する必要性が出てきます。
その際に、安全にファイルを除去できるのかということを常に考えております。
歯内療法専門医は必ずしもファイル除去専門医ではありません。
除去できたはいいが、該当する部分の歯質が薄弱になる可能性があれば他の選択肢を提案いたします。
除去ができない、行った場合にメリットよりもリスクが上回るようであれば(病気は治る方向に治療を行うが)ファイルを意図的に残置する、もしくは根管治療だけでは病気が治らなかった時に外科的歯内療法のステップで結果、一緒に除去を行います。
実際、破折ファイル自体が病気を作るのでしょうか、また破折ファイルが直接的な症状を生み出すのでしょうか。
歯科医師の中にも誤解がある先生がいらっしゃるかもしれません。
治療を行う上での大前提として、患者さんにとって一番侵襲が少ないことを第一選択とすることを念頭に置いて考えていきます。
今回載せさせていただいている左下第一大臼歯は遠心根の根管内と髄床底のパーフォレーション部から下部歯周組織内へのファイルが確認されたケースです。
診査診断をさせていただき、治療をして根尖性歯周炎を治せる見込みがあり、患者さんと相談して治療を行いました。
その過程上で治療の妨げになるファイルを除去しております。
幸いにもフラップなどを開かずに除去を行えました。
1年半後の経過観察でも良好な状態が確認でき、患者さんも美味しく食事ができていることを嬉しく思っております。
かかりつけの先生方と多くの患者さんと、この気持ちが共有できれば幸いです。