参考症例
Cases拡大形成 根尖孔の位置
2018.05.21(月)
医療従事者向けの投稿になります。
根管治療においてファイル操作を行う作業長の決定というステップを経て根管の拡大形成を行うと思います。
論文では実際の根尖孔がレントゲン的根尖と一致する割合は50%程度でその他は根尖の傍らに存在するという報告があります。
現在、歯を抜歯して確認する以外に術者がその位置を確認する一番精度が高い方法が電気的根管長測定器です。
だだし、精度は80%台ですのでレントゲン撮影を行い、(特にファイルがオーバーになっていないか)2重のチェックを行います。
拡大形成は創傷の治癒の観点から根尖を超えての器具操作は行っておりません。
1)電気的根管長測定器
2)ファイル試適した状態でのレントゲン撮影での確認
両ステップを行い、解剖学的根尖孔までの距離を計測し、そこから作業長を算出します。
下のケースではこれほどレントゲン的根尖と解剖学的根尖孔の位置が離れていることも珍しいですがファイルの先端の位置を指標にし、そこから作業長を算出しています。
作業長はAPEXより1㎜を減じた長さにて根管拡大形成を行っています。
根管充填後
術後2年後
術前から予後2年
幸いにも術前の症状と根尖の透過像の消失傾向が確認できます。
これからも正確な治療を患者さんに提供していきたいと思います。