参考症例
Cases2018.09.04(火)
医療従事者向けの投稿になります。
リバスクラリゼーション
様々な原因によって歯根完成途中で歯髄が感染により完全に壊死した場合、歯髄は再生しません。
歯根は完成途中であった場合に未完成状態であり、感染による症状の改善は通常の根の治療では対応できなくなります。
以前までの治療方法としてはご存知のようにアペキシフィケーションが適応になると思います。またアペキシフィケーションのメリットも十分理解しておりますが、デメリットも承知しております。
当院では条件が合うケースに関して「リバスクラリゼーション」(現在のほぼ同義語として「再生歯内療法」、「REP(RET)」)を行っております。
ご存知のように再生という名はついておりますが、感染壊死した歯髄組織は取り除き、象牙質ではない生体由来の硬組織による修復反応で、歯根長の伸展、象牙質の厚みの増加を目的とします。
当院が大切な患者さんのために協力できることがあります。
先生方からのご相談をお待ちしております。
何なりとご連絡ください。
2018.09.04(火)
ご来院いただく患者さんへ
来院時にはお時間をいただきます。
当院ではいらしていただいた際に歯の状態の検査や結果のご説明、それによっていただくご質問や不安な事に対する返答させて頂きます。
また事前に可能な限りかかりつけの先生と情報交換をさせて頂き、経緯、経過、また、さかのぼっての既往を伺っております。
希望に添える状態なのか、少しでも早く症状、不快感や不安の改善を目標に相談をしてまいります。
現状のご説明をしっかり行う事、患者さんのご理解があり治療というものは初めて意味をなすものと考えております。患者さんにご理解していただいた上で方向性を一緒に考えていきます。
他の患者さんとの並列診療は行なっておりません。その患者さんの大切な歯の診査や治療に関して実直に向き合うためです。
外傷により歯が割れてしまった歯に対する治療
かかりつけの先生方へ
当院が患者さんに貢献できることがあります。
大切な患者さんのため、何かご協力できることがございましたら何なりとご連絡下さい。
実直に対応致します。
2018.08.31(金)
医療従事者向けの投稿になります
本当に神経を取る必要があるか
患者さんがいらしゃいました。
右下4番は最近しみるようになってきたので、歯医者に行ったら虫歯が大きいので神経を取らなくてはならないと思いますと先生からお話があった。
専門のところならもしかしたら取らなくて済むかもしれないということで紹介してもらった。
確かにう蝕は大きそうで、歯髄腔に近接している状態と判断されます。
多くの先生方は歯髄の保存をお考えになると思いますし、私も同じ気持ちです。
ほとんどの患者さんが残せるものならと思って来院されます。
残念ながら全ての歯が生活歯髄療法を行えるわけではありませんので、複数の診査を行い総合的に歯髄を保存できるかを確認していきます。
先生方もご存知のようにたとえ露髄部が2㎜を超えていても残存する健全歯髄の大部分を保存することも条件が見合えば可能になります。
私たち専門的に歯内療法に従事している歯科医師は露髄の大きさだけで抜髄を行うかどうかの判断はいたしません。
生活歯髄療法には
1)間接覆髄
2)直接覆髄
3)部分断髄
4)(全部)断髄
がありますが、本ケースでは露髄を確認後、う蝕が歯髄まで到達していたため、上部の歯髄の感染が確認され、歯髄からは炎症性の出血を確認しました。歯冠部歯髄の除去までを行ったのちに炎症性の出血が無くなりましたので結果として断髄処置を行っております。根尖側の健全歯髄の保存が可能になりました。
治療前半に遠心部う蝕を除去し、コンポジットにて隔壁を作り、その後ラバーダム防湿環境下にて治療を継続しております
生活歯髄療法での処置回数は1回と短期処置(このケースのようにう蝕による広範囲な歯質の欠損を生じている場合には後日かかりつけの先生にて補綴処置を行っていただきます)になりますが、処置は治療をしながらも同時に術中診査も行いますので、治療のステップも非常に多いものになります。
一般の方が思われている虫歯治療よりもより細かな処置になりますので患者さんには長い時間治療にご協力いただきます。
今まで治療を受けていただいた患者さんには治療の重要性をご理解いただきましてこの場をお借りしてお礼申し上げます。
歯内療法を専門に治療させていただいておりますので、歯科医師の先生ご自身の治療に関してのご質問をいただいたり、治療をさせていただくことも多いのですがやはり一番歯の大切さを理解しているのは歯の仕事に従事している我々で、患者さんにも先生方が受けたいと思う治療を受けていただきたいと思っております。
非常に多くの先生方が患者さんの大切な歯のことを考えていただいております。
今後も大切な患者さんの為に連携が取らせていただければ幸せです。
2018.08.26(日)
患者さん向けの投稿になります。
問題があって何度も治療を行なっている場合、患者さんが想像するよりもその歯自体ははるかに小さくなっています。
悪くなって取り除いている部分は詰め物やかぶせものなどの人工物によって形の復元はしてもらっていますが、歯が増えたわけではありませんので、咬む力を受け止める力は落ちていきます。
治療を進めながら歯の中を観察していくと割れている(破折している)ことがあります。
詰め物を外したら歯ぐきから出ている歯がほとんどない状態でした。
メチレンブルー染色を行なった際に破折線(画像では青い色素に染まる線になります)がくっきりと確認されます。
破折があった場合、最終的にはかかりつけ医の先生と患者さんがご相談して方向性を決めていただきますが、ほとんどの場合は抜歯になっています。
日々の歯ブラシや定期的な検診も大事ですが、実際困るのは何か異常があった時だと思います。現在では歯内療法の専門治療を受けるという選択肢があります。
歯内療法領域の治療が繰り返しの治療にならないように最善を尽くします。
困った際はまずかかりつけ医の先生とご相談ください。また当院にご連絡いただいても結構です。
2018.08.26(日)
難易度があります。
一般的に歯根の湾曲部を超えない範囲であればマイクロスコープ下にてほぼ全てにおいて破折ファイルが確認できることと思います。
視認できた場合、破折ファイル除去時に健全歯質が奪われる量も最小限にとどめられる可能性も高く、根管のオリジナルの形態を維持することによってその後の根管の拡大形成によるバクテリアリダクションも予想ができるレベルで行うことができると思います。
破折ファイル自体は感染源になることはなく、あくまでも感染経路を封鎖している場合、除去を行い、根管内のファイル破折部よりも根尖側のバクテリアリダクションを行います。
ただし破折ファイルの除去のみを考えると、除去ができたとしても多くの健全歯質を奪ってしまいその歯のロンジビティー(寿命)を縮めることにもなりかねません。
破折ファイルのあるケースに関しては、安全に除去できるか、できないような予想が立つようであれば、ほかの選択肢を検討してご提案いたします。
今回のケースに関しては破折ファイルが歯根の湾曲部を超えない位置に存在していましたので、事前のシュミレーションどおり問題なく処置を終了しております。
ファイル破折は偶発症であり、新品のファイルを使用した際にも0,9%は破折したという報告があります。
またファイルの繰り返し使用は4回以上になると破折のリスクを高めるという報告もあります。
ユモトデンタルクリニックでは器具の疲労がないものを毎回使用することにより破折を最大限予防する、また交差感染のリスクを0にする目的で NiTiファイル SSファイル、超音波チップを含む器具をどの患者さんにも必ず新品の物を滅菌済みで使用し、使い捨てにしています。
大変なコストがかかりますが、私が治療を受けるとしたらそれが一番良いと思うのでそのスタンスに立って器具、材料の管理を行っております。