参考症例|さいたま市大宮の根管治療専門歯科医院 ユモトデンタルクリニック

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2018.02.02(金)

医療従事者向けの投稿になります。

 

 

 

多くの先生方からご理解をいただき、たくさんのご紹介ありがとうございます。

この場をお借りして感謝申し上げます。

 

 

 

他の歯(左上2)の根管治療で通院していた歯科医院より、右上2番の急性症状があるということでご紹介いただき右上2番の再根管治療を行いました。

 

 

 

 

主訴 歯茎が膿んでいる

症状 疼痛と腫脹

診断の結果 症状のある根尖性歯周炎

 

 

 

幸いにも症状も消失し、根管充填(築造処置含む)を行いました。

 

 

 

左:右上2番術前 右:右上2番術直後

 

 

 

 

患者さんにも喜んでいただきましたが、今回の症状には辛い思いをされたようで、こんな辛い思いをするようであれば他の歯も治療を受けたいと申し出をいただきました。

 

 

 

 

かかりつけの先生にも同意いただき治療途中であった歯も含めトータル前歯4歯を治療させていただき、かかりつけの先生にその後の補綴処置をしていただきました。

 

 

 

 

左:右上2番術直後 右:前歯4歯治療1年半後

 

 

 

 

経過観察時には透過像の縮小傾向があり良い予後経過を確認できました。

 

 

 

 

当院ではかかりつけの先生のご協力のもと、ご紹介いただきました大切な患者さんの治療を進めてまいります。

 

 

 

 

術前の情報提供、根管治療後の補綴処置など患者さんのためたくさんのかかりつけ医の先生方のご協力、サポートをいただき大変感謝しております。今後ともよろしくお願い致します。

 

2018.01.30(火)

医療従事者向けの投稿になります

 

 

治療する歯によっては根管治療の障害になる破折ファイルを確認する場合があります。

治療の障害になっていれば当然、ファイル除去をして治療を継続する必要性が出てきます。

 

 

その際に、安全にファイルを除去できるのかということを常に考えております。

 

歯内療法専門医は必ずしもファイル除去専門医ではありません。

 

除去できたはいいが、該当する部分の歯質が薄弱になる可能性があれば他の選択肢を提案いたします。

除去ができない、行った場合にメリットよりもリスクが上回るようであれば(病気は治る方向に治療を行うが)ファイルを意図的に残置する、もしくは根管治療だけでは病気が治らなかった時に外科的歯内療法のステップで結果、一緒に除去を行います。

 

 

実際、破折ファイル自体が病気を作るのでしょうか、また破折ファイルが直接的な症状を生み出すのでしょうか。

歯科医師の中にも誤解がある先生がいらっしゃるかもしれません。

治療を行う上での大前提として、患者さんにとって一番侵襲が少ないことを第一選択とすることを念頭に置いて考えていきます。

 

 

 

 

 

今回載せさせていただいている左下第一大臼歯は遠心根の根管内と髄床底のパーフォレーション部から下部歯周組織内へのファイルが確認されたケースです。

 

 

診査診断をさせていただき、治療をして根尖性歯周炎を治せる見込みがあり、患者さんと相談して治療を行いました。

その過程上で治療の妨げになるファイルを除去しております。

 

幸いにもフラップなどを開かずに除去を行えました。

 

1年半後の経過観察でも良好な状態が確認でき、患者さんも美味しく食事ができていることを嬉しく思っております。

 

かかりつけの先生方と多くの患者さんと、この気持ちが共有できれば幸いです。

 

2018.01.17(水)

医療従事者向けの投稿になります。

 

周知のように、萌出直後の永久歯はう蝕のリスクが高く、処置をしないといけない場合もあります。

 

 

この患者さんも9歳(下顎第一大臼歯の平均的な萌出年齢から3年)でしたが修復物の下にう蝕様の透過像が観察されます。

 

左下6番  数日前に他歯科医院にてう蝕処置を受けたが、痛みがある。痛くて噛めない。

泣きながら来院し、付き添いの親御さんも大変心配されていました。

 

 

 

診査の結果 生活歯髄療法は不可能で、根管治療が必要な状態でした。

歯内療法の目的の一つに「根尖性歯周炎の治療」というものがあります。

歯内療法専門医がこの歯の根管治療を行うことにより、根尖性歯周炎を治し、安心して咬めるようにすることは論文ベースで見てもはるかに高い成功率が出ています。

 

 

 

術後

 

 

 

1回目の処置後、症状は消失していきますので、基本的には2回目に根管充填+築造処置になります。

治療後もしっかり経過観察に通院していただいたので、治療1年後の予後までが確認できています。

 

 

今後咬合力も大きくなっていきますので、後続の第二大臼歯の萌出を見ながら補綴医に補綴処置をしていただきます。

 

 

 

 

経過観察時に10歳になったこの患者さんに聞いてみると、「なんで治療したんだっけ??」と、当時痛かったことも忘れていて、親御さんも苦笑いという感じでしたが、私たちにとってはそれが幸せです。

2017.12.23(土)

医療従事者向けの投稿になります

 

 

 

レントゲン上で歯根全体を取り巻く透過像があります。

 

 

 

 

 

 

抜歯なのでしょうか。

そしてその基準は何でしょうか。

 

 

 

いくつかの歯根破折に言及する論文を見ると、歯根破折のあった歯の約半分程度にこのようなレントゲン上で歯根を取り巻く透過像があったとの報告を確認します。

ただし、画像診断だけでは明らかなもの以外、破折しているとは決めつけられません。

 

 

 

私たちは診査の結果歯根破折の疑いがあれば、同意のもと歯肉剥離を行い歯根表面の染色による「破折線の有無の確認」を行います。

また通常の根管治療の際にも根管内を破折の有無を精査しながら治療を進めていきます。

 

 

 

 

ご紹介頂いた患者さんの症状が歯根破折から生じていて、それをお伝えする場合も少なからずあります。

 

 

 

このケースは「急に咬むと痛むようになった。腫れてる」動揺度2度、打診痛と触診痛が共にあり、遠心部分に限局する深いポケットも存在していましたが、破折もなく紹介元の先生にも患者さんにも非常に協力いただき、現在良い予後を確認できております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かかりつけ医の先生方の言葉には力があります。

 

可能性があるのであれば、そのことを患者さんにお伝えください。

 

 

 

 

 

 

 

 

2017.12.11(月)

医療従事者向けの投稿になります

 

 

右上6番(2回法+築造処置)

 

 

 

疼痛と腫脹の症状があり、かかりつけ歯科医院にて根管治療のため受診されていましたが、残念ながら症状の改善がなくつらい思いもされており、抜歯の選択肢も挙がっている段階だったとのことでした。

 

 

患者さんご本人から問い合わせをいただきました。

 

 

初回 診査診断を行い(症状のある)根尖性歯周炎と判断し、再根管治療を選択肢として提案しました。

 

 

 

歯を残す治療をする上で懸念材料がないわけではありません

残存歯質量がだいぶ少なく、病気が治っても、将来的にどれくらい咬合力に耐えられるか(longevityの問題 歯根破折を引き起こして短期的にダメになる可能性もこのケースであれば多分にあること)

 

また治療を始めてから既存の破折線が確認される可能性もあること

を同意していただき治療を行いました。

 

医療従事者の方であればお分かりのように、根尖孔外にガッタパーチャと思われる不透過像があったり、歯根周囲の透過像の大きさに目がいくと思いますが、あくまでも根尖性歯周炎という病気の成り立ちは細菌感染になります。

 

 

 

術前

 

 

術中

 

 

 

術直後(築造後)

 

 

 

術後6ヶ月

 

 

 

 

1)しっかり必要な診査を行い、どういう診断名がつくか

得られた診査結果と状態の説明を行います。

 

 

2)治療を行う際に、ラバーダム防湿法に代表される無菌的な環境を整えて、根管内の細菌の除去と新たに細菌を侵入させない治療を行います。

 

加えて、治療時には多くのものを使い捨てで使用します。

タービン用バー、NiTiファイル、根管治療用超音波チップといえども「患者間の交差感染」を起こさないように患者さんごと新品を使い捨てで対応する

(歯の中を直接触れるものは滅菌したものを再使用するよりも、滅菌済み新品を使用する方が良いと私も判断しております)

 

 

3)独自の方法ではなく、大切な患者さんの歯を治すためにコンセプトを厳守する

 

 

 

患者さんからすれば当たり前だと思うことです。

 

 

歯内療法領域の原因による症状に悩まれている患者さんと紹介元の先生の笑顔が見たいので当院ではこれを堅い意思を持って今後も続けていきます。

 

 

日本の現状、根管治療という分野はかかりつけ医と根管治療専門医との連携はまだまだ一般的ではありません。

 

 

先生方にお願いいたします

患者さんのために連携ということを選択肢の一つとして考えていただければ幸いです。

 

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